2011年8月30日火曜日

マリナーズ

8月29日 マリナーズ対ホワイトソックスの試合を観戦。今年も(?)マリナーズ不振ということもあってか、球場はそれほど混雑していなかった。9-3でマリナーズの負け。

Safeco Field球場
Ichiroはいつも格好良い!
この日も2本のヒット
(しかし今期の成績は今一らしい)


サマーキャンプ

8月22日から26日までの5日間、子どもはYMCAのサマーキャンプに参加した。毎日天候にも恵まれ、現地の生活に慣れるために良い機会だったのではないだろうか。

他に日本人はいなかったようだ。
スポンジに水をしみ込ませて運ぶゲーム?
水の入った風船運びゲーム
(落としてる?)
なぜかValue Awardなどという賞をもらってる!




クレーターレイク国立公園

8月17日 クレーターレイク国立公園
ヨセミテとレッドウッド国立公園はカリフォルニア州だが、クレーターレイクはオレゴン州の国立公園だ。

湖面に見える小さな島がPhantom Shipと呼ばれる
この公園のシンボル的存在
移動中にミサゴと思われる鳥の巣を発見

Redwood国立公園

8月16日 Redwood国立公園を訪ねる。

森の朝日
Redwoodの巨木


ヨセミテ国立公園

8月13日に家族とサンフランシスコで合流し、ヨセミテやクレーター・レイクの国立公園を廻りながら、6日間かけて1500キロの距離をシアトルまで北上した。ヨセミテ渓谷の景観は想像以上に美しく、J.ミューアが一目で魅了された気持ちが分かるような気がした。

8月14日 ヨセミテ2日目
El Capitanの岩壁
Yosemite Fall
Glacial point から見た Half Dome
Tunnel View から見たヨセミテ渓谷
8月14日 ヨセミテ3日目は、南部のマリポサの森と、北部のトゥオルミ高原を廻った。マリポサの森は、火災にあったらしく、森の至る所が痛々しく焼け焦げていた。ジャイアントセコイアの巨木を守るために、きっと必死の消火活動が行われたことだろう。現在も公園内の一部では山火事が続いていて、煙の中を車で移動するような地区もあった。このような場所でも入園規制がかからないのは、日本はちょっと考えられないかもしれない。
Mariposa Groveのジャイアントセコイア
Tuolumne Meadows
1869年、J.ミューアは羊飼いの仕事でこの草原に入り、
一目でヨセミテの自然に魅了されたのだった。

2011年7月8日金曜日

レイチェル・カーソンの「失われた森」(その3)

Boothbay 2日目(7月7日)

カーソンが心惹かれた「失われた森」はどこなのだろうか。

カーソンが晩年に暮らしたSouth Portの別荘近くにHendrick Head Trailという名の保護林があることは書いた。しかし,ここの風景は彼女の記述と合わないのである。この森は明るすぎるのである。確かに見事な苔や地衣類の繁茂した林床は存在するが,ここには何よりも入り江がない。

カーティス・リー・ボック夫人あてのカーソンの手紙には,次のようにある。

「私は「失われた森」に深く心惹かれています。険しい断崖が迫るごつごつした海岸線,そして,ところどころ深く切れこんだ入り江では荒波がすばらしい光景を生みだし,またとない造化の妙を見せてくれます。おだやかな満ち潮でさえ,そこここの入り江に抑し寄せては,海草やフジツボ,タマキビガイの水位標を残して去ります。海岸線が鋭角に曲がる場所には,思いがけなく,小さな浜があり,岩場が防波堤のように突きでていたりします。海岸の角度と湖の流れとが湾へ流れこんでくる流水をうまい具体に誘いこみ,丸大や木の幹や不思議な形をした根株が,おもしろく寄せ集まっている場所もあります。海岸線は一マイルほどでしょう。背後には深くて暗い,すばらしい森があり,そこに満ちているのはまさに大聖堂のごとき静寂と平穏。トウヒ,モミ,多少のベイツガとマツ,そしてかつて火災で傷つけられた外縁の部分には,自然の回復力が発揮さて,木質の堅い広葉樹が茂っています。森は苔と地衣類の自然の博物館で,そこかしこに数インチものぶあついカーペットを敷きつめています。岩があちこちに露出して蔭をつくり,その平たい表面には地衣類が生えています。森のなかはどこも暗く,静かですが,ところどころに自然の香りに満ちた日当たりのいい開けた場所があります。ここはまさに宝物のごとき場所であり,私の心はすっかり魅了されています。」

今私はBoothbay Regional Land Trustによって管理されているもう一つの自然保護林Porter Preserveにいる。ここの風景は,まさにカーソンの記述の通りなのだ。Linda Learなどのアメリカの研究者は,実際の「失われた森」がどこなのか知っていいるのだろうが,私はこのPorter Preserveが,その「失われた森」であると言ってもよいと思っている。それほどここの風景は,カーソンの記述のままなのである。(しかし実際には,Porter Preserveはカーソンの「失われた森」ではない。何故ならここは1983年までPorter家の私有地だったからだ。)

Sheepcod Reverに面した入り江の岩の上に腰を下ろし,マーケットで買ったサンドイッチを頬張りながら,私は今回の旅の最後のブログを書いている。何と,ミサゴが目の前でホバリングまで見せてくれるではないか。これ以上の贅沢はない。素晴らしいメインの旅であった。

Boothbayの朝
トウヒやモミの森
苔や地衣類が繁茂する林床
Sheepscod Riverを臨む入り江

2011年7月7日木曜日

レイチェル・カーソンの「失われた森」(その2)

Boothbay 1日目(7月6日)

Millinocketから朝,車で移動し,Portlandに近いRachel Carson National Wildlife Refugeに行ってみた。水鳥や渡り鳥の保護を主要な目的として,広大な海岸線を保全するために1966年に設置された野生動物保護地区だ。アメリカで最初に設置された海岸線の野生動物保護地区であるところから,海洋生物の研究者でもあったRachel Carsonの名を冠して,このような名称になっている。ネイチャーセンターもあり,研究者やレンジャーも常駐しているようだ。1周1マイルほどのトレイルも整備されている。松を主体とする明るい森に,ベイツガ,モミなどの針葉樹と,カシやカエデなどの広葉樹も適度に茂る,いかにも生物環境のよさそうな混交林だった。昼前後の鳥たちが昼寝をしている時刻に訪ねたため,野鳥は,カラ類とFlickerと呼ばれるキツツキを見ただけだったが,シマリスは園内にずいぶん沢山いた。

その後,移動してCarsonの別荘があるBoothbayに来た。ホテルの人に場所を尋ねたところ,Carsonの別荘は,現在,ある個人の所有になっていて,道路も個人の所有であるため,近づけないとのことだった。近くまで行ってみたが,やはりCarsonが使用した別荘まで行くことはできなかった。ただ,すぐ近くが小さな磯の海岸になっていて,きっとCarsonもここを歩いたに違いないと思うと,感慨深いものがあった。また,このビーチの近くに現在はBoothbay Regional Land Trustによって管理されているHendrick Head Trailという森の散歩道があった。恐らくここが,Carsonが「失われた森」Lost Woodsと呼んだところではないかと思う。夕刻だったため,この森は明日歩いてみることにする。そして何故か,このTrailは,Boothbay Reginal Land TrustのWebページには出ていないのである。これは,Carsonにゆかりの森を訪ねて,多くの人間が来てしまうことを避けてのことであろうか。

Rachel Carson Trailの明るい森
保護区の芦原
Carsonが散歩した海岸

2011年7月6日水曜日

ソローが歩いた山(その7)

4日目(7月5日)

晴天。

今日の入場券は,Katahdin Streamに車を停めるものだったので,ムースをよく見かけるというGrassy Pond Trailに行ってみた。一昨日の疲れがまだ取れない。3.1マイルのフラットな森のトレイルをゆっくりと歩く。森の中は蚊がすごい。蚊除けのオイルを持っていたので,刺されずに済んだが,途中で出会ったAppalachian Trailを歩いているというハイカーは,刺されて酷い目にあっていた。出会ったのは,このハイカー一人で,バックカントリーの絵のように美しい風景を堪能した。蚊についてはソローも『メインの森』の中で書いている。湿地や湖が多いので,この辺には昔から蚊も多いのだろう。しかし風景は本当に素晴らしい。

Appalachian Trailはジョージア州のSpringer Mountainからメイン州のKatahdinに到る全長3510Kmに上る長大なトレイルだ。どこから歩き始めたのか分からないが,このハイカーは地図も持たずに,道に迷っている様子だった。私は地図を持っていたので,ルートを説明してやったのだが,何故か私の説明を信用せず,別のルートに行ってしまった。30分ほどすると,後ろから声を掛けてきて,「やはりお前の言う通りだ」と言い,追い越していった。あれで長いAppalachian Trailをよく歩けたものだ。しかしKatahdinはもうすぐなので,最後まで行けるだろう。

Grassy Pond Trailではムースを見ることが出来なかった。しかし朝,車で途中のStump Pondを通過した時,ムースを見かけたので,戻ってみると「居た!」。メスのムースが悠々と水草を食んでいた。

念願のKatahdinに登ることができ,しっかりとムースを見ることもできて,最高のBaxter State Park訪問だった。明日からはRachel Charsonの跡を訪ねて,Boothbayに南下する。

バックカントリーの風景
ここで休んでいるとき,キレンジャクを二羽見た
Moose!

ソローが歩いた山(その6)

3日目(7月4日)

昨日の登山で,へとへとに疲れてしまい,何もする気になれない。しかしBaxter State Parkの入園券は5日まで用意してあるので,一応,5時に起きてRoading Brookまで行ってみた。

昨日は,Katahdinに登ることしか考えていなかったので,景色などは何も見ていなかった。岩場が始まるChimney Pondの手前に,美しいと評判のBasin Pondという湖があるので,行ってみた。ここで1時間ほどぼ~とした。天気は曇りで,時折晴れ間がのぞく程度。一瞬,霧の晴れ間からHamlin Peakの南壁と思われる岩壁が見えた。

Roading Brookに戻り,0.5マイルのNature Trailを歩く。苔むした森のトレイルは本当に心地よい。

生物は,森の中でアカリスを数匹と,アゲハに似たチョウ,鳥を数種類見たが,種類は分からない。

Basin Pond
Nature Trail

ソローが歩いた山(その5)

2日目(7月3日)

ソローは『メインの森』で「この山は固定されていない岩の巨大な集合体のようであった。まるで岩の雨が、あるとき空から降ってきて、山腹に落ち、横たわったかのように。どこもちゃんと安定しておらず、岩々がたがいにもたれあっている。」と書いているが,この山の様子を描く言葉として,これ以上に適切な表現はないだろう。まさにKatahadinという山は,大小様々な岩が固定されずに,ただ積み重ねられて出来ているようだった。

4時に起床し,部屋でサンドイッチを二つ作り,朝食とランチ用にする。4時30分にホテルを出る。5時45分にBaxter Peakを目指してスタート。

天候は曇り,時々雨,午後4時から本降り。

Mt. KatahdinはBaxter PeakとSouth PeakとPamola Peakの大きな3つのPeakを有するが,これ以外にも実際には幾つかのPeakがある。特にSouth PeakからPamola Peakを目指した場合,Chimney Peakを越えてPamola Peakに至るルートが最大の難所だった。また,Baxter State Parkは,設立者であるBaxterの「出来る限り野生のままで」という意向から,どんなに危険な箇所も,トレイル上に鎖場などはない。実際に岩がはがれかけていて,これに体重を掛けたら,谷底へ真っ逆さまだと思うような場所もあった。

実際に登った人から話を聞いたことがなかったので,わりと簡単な気持ちで登り始めたところ,Chimney PondからBaxter Peakに至るCathedral Trailは,ロッククライミングに近いルートだった。カメラや雨具など,日帰り登山の積もりで,35Lのリュックに「念のための物」など色々と詰め込んでいたので,荷物が重く,非常に苦労した。またBaxter PeakからPamola Peakまでの「Knife Edge」と呼ばれるトレイルは,文字通りの切り立った稜線渡りで,折からの強風にあおられ,しばしば危険を感じた。

Baxter Peakの頂上付近は,わりと広々していた。西側に伸びるHunt TrailにはThoreau Springと呼ばれる台地上のなだらかな地形が見られた。ソローが「もっと晴れた日にこ
の山頂を見た人らは、ここが約五マイルの長さで、一千エイカーの台地をなしているというのだが」と言っているのは,この部分だろう。

Baxter Peakへは幾つかのトレイルがあるが,ある程度山歩きの経験がある場合は,Chimney PondからCathedral Trailで登り,下りはSaddle Trailを経由してChimney Pondに降りる方がよい。Cathedral Trailを降りるのは,ザイルなしでは非常に難しいと思う。

Baxter PeakからKnife Edgeを経由してPamolaに向かう場合は,ロッククライミングの経験が必要だ。少なくとも,北アルプスの縦走程度の経験は必要だ。Chimney Peakを下り,最後にPamola Peakの頂上を目指す時,3級程度の岩壁を登ることになる。ここは天候が良くない場合,非常に危険だ。私は立っているのもやっとくらいの風になってきたので,どうしようかと迷っていると,南側にピークを回りこんでHelon Trailに向かうらしき踏み跡があったので,そちらに行ってみた。案の定,Helon Trailに出たので,比較的緩やかなHelon Tailを歩いて,改めてPamola Peakに登った。Pamola PeakではHelon Trailを登って来たパーティーがいて,運よく写真を撮ってもらうことが出来た。South Peakでは誰にも会うことがなかったので,記念写真は撮れなかった。またSouth Peakには道標もなかった。

Knife Edgeには,ここ以外にエスケープルートはない。途中で立ち往生した場合は,どうにもならない。私が登った日は日曜日で,Baxter Peakにはかなりの登山者がいたが,Knife Edgeにはほんの数人しか来ていなかった。皆,Knife Edgeは難しいということを知っていたのだろう。確かにガイドブックには「難しい」と書いてあるが,日本人の感覚だと,一般ルートで「難しい」と書いてあっても大したことがない場合がほとんどだが,アメリカでは「難しい」と書いてあれば,本当に「難しい」ということを思い知った感じだ。

ソローは「ここは広大で巨人的で,人間のごとき者は住むはずもない所である。それを眺める人は,登ってゆくにつれて,自分の肋骨の格子のすき間から,身体の一部が,それも最も重要な部分が脱け出してゆくように思われる。その登山者は想像し得る以上に孤独である。」と書いているが,Knife Edgeの上では,本当にこうした恐怖を感じる場所がある。

最後のHelon Trailの3.2マイル(5.1Km)は本当に長く,へとへとに疲れた。水を750mLの水筒と,予備に100mLのペットボトルしか持っていなかったため,飲みつくしてしまい実に辛かった。幸い曇りと雨だったため,大量の汗をかかずに済んだが,晴れた日だったら脱水になり危なかったかも知れない。このコースであれば,最低でも750mLを2本は用意した方が良い。また,余計な荷物は極力減らし,最軽量なアタックザックに水を十分に持ち,念のためにハンディの無線機を携帯した方がよいと思った。(無線機はトランシーバーでは役に立たない。アマチュア無線のハンディが必要。)

動物は,朝,車で移動中に道路でムースを1頭,林道で茶色のウサギ,鳥を数種見たが,図鑑がないので,種類は分からなかった。

 5時45分 Roading Brook (Cathedral Trail)
 8時00分 Chimney Pond
11時45分 Baxter Peak
 1時00分 South Peak
 2時00分 Pamola Peak
 6時15分 (Helon Trail) Roading Brook

Chimney Pondから見上げたKatahdin
岩場の取り付き
Baxter Peakは手前のピークよりずっと後
Baxter Peak
Pamola Peakに続くKnife Edge
Baxter Peak西側の台地状の地形
Pamola Peak
ソローが登ったと思われるSouth Peak南側の斜面

2011年7月5日火曜日

ソローが歩いた山(その4)

7月2日(1日目)

午後11時20分 Bangor空港に到着。預け入れ荷物が出てくるのを待っている間にレンタカー会社のカウンターをのぞいて見ると,開いていた。ネット上の案内では夜間はやっていないはずなのに,何故かやっているのである。予約は2日からになっているので,12時を過ぎるのを待って,車を借りる。

2日午前1時 ホテルにチェックインすると,何と火災警報機が鳴り出した。この後,2時半と3時半にも警報機が鳴り響き,疲れているのに,ほとんど寝れなかった。7日の夜も同じホテルに予約を入れていたが,キャンセルすることにした。

12時 Millinocket到着。Baxter State Parkの事務所で,車の登録ナンバーを変更。インターネットで登録した時は,自分の車で登録したが,実際にはレンタカーなので,レンタカーのナンバーに入園の登録情報を変更した。日本からインターネットでParkの入園許可を予約する場合,このナンバー登録が少し問題かもしれない。唯一可能な方法は,架空のナンバーを登録し,現地でレンタカーを借りてから,今回のようにレンタカーのナンバーに変更することだろう。Parkのゲートでも変更可能かもしれないが,早朝,ゲートに多くの車が並ぶので,前日の内にMillinocketの公園事務所に立ち寄り,登録ナンバーの変更手続きをしておく方が無難だと思われる。

午後1時30分 明日の下見にParkのゲートまで行ってみた。ゲート前にはVisitor Centerと,ちょっとしたピクニックゲレンデがあった。今日は良く晴れて,今日ならKatahdin登山に絶好の日だったのだが,昼からでは時間もなく,入園券も手に入らないので,ゲート前のピクニックゲレンデで2時間ほど過ごす。Visitor Centerに寄ってみると,ここには電気が来ていないという。さすがにWildernessの王国Baxter Parkという感じ。

予報によると,残念ながら,明日から2日間の天気はあまり良くない模様。5日の天気は良いとのことなので,Katahdin登山は5日になるかも知れない。Katahdinはそれほど高い山ではないのだが,天候が非常に変わりやすい。今日も良く晴れていたが,山の上には雲がかぶっていた。

消防車がお出迎え
Visitor Center
南側からKatahdin

2011年6月27日月曜日

フクロウの観察会

昨日は夜8時から10時まで、オーデュボン協会のSeward Park Nature Centerで催されたフクロウの観察会に参加した。夏のシアトルは夜10時でも、まだほんのり薄明るい。参加者は15人程度だっただろうか。最初に、各自が勝手にペレットの分解をして、中に含まれているものを観察した。その後、園内に生息するフクロウの説明があった。園内には4種のフクロウが生息しているとのことだった。最後に野外の観察に向かった。1時間くらい探したが、残念ながら実際にフクロウを見ることはできなかった

Barred Owl
Western Screech-Owl
Great Horned Owl
Northern Saw-whet Owl

少し気になったのが、おそらくこれまでに観察されたことがあるポイントなのだろう、森の中の要所、要所で、レンジャーの女性が、ipodにスピーカーをつけて、フクロウの鳴き声を流していたことだ。自然のフクロウがその声に反応することをねらってのことだろうと思うが、これはやってもよいのだろうか?しかしここはアメリカだ。細かいことは気にしないのだろう。


参加者は以外に年配者が多かった。
子どもは両親と一緒にきた一人だけだった。
 
各自に配布されたペレット
園内で採集されたもの
小さなラットの骨と思われる
レンジャーによるフクロウの説明

2011年6月26日日曜日

ソローの歩いた山(その3)

ソローが歩いたルートはどこなのか?

『メインの森』の「クタードン山」には、彼が山頂に到達したときの様子が描かれてい。しかし彼が実際に到達したのは、南峰とバクスター・ピーク(最高地点)の間にある台地状の尾根だったと考えられているようだ。

現在、カターディンには幾つかのトレイル(ルート)があるが、ソローのルートと一番近いのは、Abol Trailのようである。ソローの時代にはトレイルなどなかったので、今、ソローと完全に同じルートを辿ることはできない。地図で見る限り、このAbol Trailは、南側の山麓から一気に稜線を目指して登って行く険しいルートのようだ。今回私が入園券を確保できたのは、このトレイルより少し西側のKatahdin Streamから登って行くルートと、ソローの時代には、おそらく誰も歩いてはいなかった北側のChimney Pondからのルートだ。しかしChimney Pondから南峰を経てバクスター・ピークを目指すと、ソローが到達した地点を経由することになる。

Distance to Baxter Peak from Katahdin Stream campground via the Hunt trail
5.2 miles

Distance to Baxter Peak from Roaring Brook campground via the Helon N. Taylor trail and the Knife Edge
4.3 miles

Since many people climb Mount Katahdin, some might like to know the route that Thoreau took in relation to modern trails.  Thoreau approached the mountain from the south, roughly paralleling the modern Abol Trail and about two miles to the east.  Thoreau’s route began by following the Abol Stream.  He turned away from the stream and made his way up the mountain about one mile from the location of modern Abol Campsite, climbed just to the west (left) of what is now called “Abol Mountain” and continued his ascent just to the west (left) of what is now called “Rum Mountain”.   This brought him between South and Baxter Peaks.  He reached the tableland between these peaks to the east of the modern Appalachian trail.  (The information about his route is from Huber, P., The Wildest Country: A Guide to Thoreau’s Maine, Appalachian Mountain Club Publications, Boston (1981), pp. 141-142.)
http://www.danielbbotkin.com/books/no-mans-garden/no-mans-garden-excerpt/

2011年6月24日金曜日

レイチェル・カーソンの「失われた森」(その1)

7月1日からソローの足跡を辿るため、メイン州に行くが、Mt.カターディンのあるバクスター州立公園の入園券は、3日分しか確保できなかった。あと2日間ほど滞在予定に余裕があるので、この機会に、レイチェル・カーソンが『われらをめぐる海』や『センス・オブ・ワンダー』の執筆を行った別荘と、彼女が「失われた森」Lost woodsと名づけた場所を訪ねてみたいと思う。

しかしネットで検索したところ、カーソンが使用した別荘の位置がどうしてもヒットしない。おそらく現在この別荘は、別の個人の所有になっているためだろうと思う。West Southportの近くでSheepscot Riverに面した場所ということは分かったので、とにかく現地で探してみることにした。

Linda Learが書いたカーソンの伝記を読んでみると、この別荘の近くの森を「失われた森」と呼んで、カーソンはこの森での散策をことのほか好み、また開発のうわさを聞いて、「買い取ってでも保護したい」と言ったそうである。現在この森はBoothbay Region Land Trustによって管理されているようなので、時間が許す限り、この森も歩いてみたいと思う。
Boothbay Region Land Trustのページ
レイチェル・カーソンの夏の別荘
http://www.pbase.com/cp8800/image/85841574

2011年6月22日水曜日

ソローの歩いた山(その2)

メインは遠い。シアトルから行くとアメリカ大陸の反対側だ。往きは8時間29分、帰りは12時間21分もかかる。日本に帰るより時間がかかるとは…

往きのフライト
帰りのフライト

ソローの歩いた山(その1)

7月1日から9日までの予定で、ソローが『メインの森』で登った山・カターディンに行くことにした。

現在、カターディン一帯はメイン州のバクスター州立公園として、入園が厳しく制限されている。正確な数字は把握していないが、宿泊を伴う入園は4ヶ月前に抽選に応募する必要がある。1日の入園については、約80台の車に制限され、入園券を事前に購入しなければならない。メイン州の住民は6月13日以降、夏の間の入園券を予約購入することが出来るが、州外の場合は二週間以内の入園券しか購入できない。私はメイン州の住人ではないので、二週間以内の購入しかできないが、一昨日からインターネット上で購入を始め、7月3日と4日の分まで購入できた。目的はカターディンに登り、ソローが歩いた跡を辿ることだが、山は天候次第なので、7日の分まで連続して購入して行く積りだ。

入園が厳しく制限されているということは、それだけ自然が野生のままで保護されていることになる。現地の様子を見るのが今から楽しみだ。

(追記:4日目の予約をしようとしたところ出来なかった。調べてみると、1ヶ月に3回までの予約しかできない規則になっていることが分かった。メイン州滞 在は7日間なので、最初の3日間の天候が悪かった場合、4日目以降は当日券をねらうか、ポートランドに下って、レイチェル・カーソンにゆかりの場所を散策 するか、天候次第で考えなければいけない。)
Mt.Katahdin
 バクスター州立公園トップページ
入園券購入のページ

Iron Goat Trail to Wellington

昨日はIron Goat Trail to Wellingtonというハイキングコースに行ってみた。ここは1800年代の終わりから1920年代まで利用されていた山岳鉄道の跡を辿って歩くコースで、いたるところに廃道となったトンネルを見ることができる面白いコースだ。終着点のWellingtonの手前には、長い雪避けトンネルがあり、この中を歩くことができる。Wellingtonはかつてカスケード山脈太平洋側のターミナル駅として栄えた町だったが、現在は、廃墟どころか何もない山林になっている。鉄道そのものは1929年以降、別のルートを通っている。

トレイルは鉄道跡を歩くため、なだらかで歩きやすい。カエデ、カンバ、モミ、ヒノキなどがところどこに純林を形成する、変化に富んだ美しい森だった。残雪があり、一、二箇所危険な場所もあった。月曜日ということもあってか、一組のハイカーに出会っただけだった。熊避けの鈴「さよなら熊さん」と同行の一日であった。
Round Trip: 12 miles
http://www.wta.org/go-hiking/hikes/iron-goat-trail-stevens-pass-west

 新緑が美しいトレイルの入り口
鉄道の廃隧道
雪解け水で出来た滝
峠に設置されている「青空トイレ」
トイレの前面に広がる風景
 Wellinton手前の雪避けトンネル跡
現在のWellinton
「さよなら熊さん」