2011年7月7日木曜日

レイチェル・カーソンの「失われた森」(その2)

Boothbay 1日目(7月6日)

Millinocketから朝,車で移動し,Portlandに近いRachel Carson National Wildlife Refugeに行ってみた。水鳥や渡り鳥の保護を主要な目的として,広大な海岸線を保全するために1966年に設置された野生動物保護地区だ。アメリカで最初に設置された海岸線の野生動物保護地区であるところから,海洋生物の研究者でもあったRachel Carsonの名を冠して,このような名称になっている。ネイチャーセンターもあり,研究者やレンジャーも常駐しているようだ。1周1マイルほどのトレイルも整備されている。松を主体とする明るい森に,ベイツガ,モミなどの針葉樹と,カシやカエデなどの広葉樹も適度に茂る,いかにも生物環境のよさそうな混交林だった。昼前後の鳥たちが昼寝をしている時刻に訪ねたため,野鳥は,カラ類とFlickerと呼ばれるキツツキを見ただけだったが,シマリスは園内にずいぶん沢山いた。

その後,移動してCarsonの別荘があるBoothbayに来た。ホテルの人に場所を尋ねたところ,Carsonの別荘は,現在,ある個人の所有になっていて,道路も個人の所有であるため,近づけないとのことだった。近くまで行ってみたが,やはりCarsonが使用した別荘まで行くことはできなかった。ただ,すぐ近くが小さな磯の海岸になっていて,きっとCarsonもここを歩いたに違いないと思うと,感慨深いものがあった。また,このビーチの近くに現在はBoothbay Regional Land Trustによって管理されているHendrick Head Trailという森の散歩道があった。恐らくここが,Carsonが「失われた森」Lost Woodsと呼んだところではないかと思う。夕刻だったため,この森は明日歩いてみることにする。そして何故か,このTrailは,Boothbay Reginal Land TrustのWebページには出ていないのである。これは,Carsonにゆかりの森を訪ねて,多くの人間が来てしまうことを避けてのことであろうか。

Rachel Carson Trailの明るい森
保護区の芦原
Carsonが散歩した海岸