2016年8月23日火曜日

海外在住者の高額ドル/円交換

時期、1ドル120円を超えていた為替レートが、イギリスのユーロ離脱決定以来、100円を切りつつある状況になっている。輸出に依存する日本企業にとっては困ったことだろうが、我々のように海外で研究生活を送ったり、留学したりする者には喜ぶべきことである。私の息子も2018年に1年間、アメリカに留学する予定なので、この機に予想される費用の半分くらいをFXでドルに替えておいた。


アメリカで長く暮らしている日本人の友人と話していると、親の遺産などで日本円を入手した場合、ドルに交換する方法で困っているようだ。

アメリカが生活の基盤になっている日本人は、日本の銀行口座を持っていない場合が多い。また彼らは日本の住民票や免許証も所有していないので、一時帰国した際に、簡単に銀行口座も開けない。

このようなケースでも、できるだけ有利にドル/円交換し、アメリカの口座に送金する方法を考えてみた。

  1. 一時帰国を利用して、日本で住民登録をし、住民票とマイナンバーを取得する。
    ・マイナンバーは証券口座や海外送金で必要になる。
    ・年末年始をまたいで住民登録していると、次年度の住民税が掛かってくるので注意が必要だ。
    ・帰国前に住民票の除籍を行う。
    ・ただし、除籍をした場合にマイナンバーがそのまま有効かどうかは不明。
  2. 日本の免許証を取得する。
  3. ブラステルのアカウントを作成し、日本の電話番号を取得する。
    ・ブラステルは、アメリカからも0120番号に電話ができる。月額利用料もない。
  4. 新生銀行とyjfxで口座を開設する。
    ・yjfxの口座開設は、郵送で一週間ほどかかる。
    ・yjfxを利用する場合は、住信SBIネット銀行に口座を作っておくと即時入金が出来て便利。
  5. 新生銀行のサイトから楽天証券の口座を開設する。
    ・新生プラチナのステータスを獲得するために、新生銀行のサイトから楽天証券の口座を開設する必要がある。
  6. 楽天証券の口座に300万円を入金する。
    ・1ヶ月間300万円を楽天証券の口座に寝かせておくと、新生プラチナのステータスが取得出来る。
    ・新生プラチナになると、月1回、無料で海外送金ができる。
    ・FXを利用しない場合でも、新生プラチナになっておくと為替手数料が有利に設定されるので、非常に価値がある。
    ・一度新生プラチナになると、証券口座から300万円を引き出しても、3ヶ月間ステータスは保持される。
  7. 新生銀行の窓口から、アメリカの口座に送金する。
    ・新生銀行の海外送金は、1回目だけは、窓口で行う必要がある。これで送金先が登録される。
    ・次回からは電話で送金指示が出せるので、アメリカにいても送金出来る。
    ・後は適宜FXを使ってレートの良い時にドルに替えてから、新生銀行のドル口座に送金し、新生銀行からアメリカの銀行に送金すれば良い。
    ・ただし、yjfxから外貨の出金を行う際、1回につき1500円の料金が徴収される。従って、ドルの出金はできるだけまとめて行うのが良い。
    ・新生銀行からBank of Amerikaに送金した場合、BoAに$15のリフティングチャージを取られる。
    ・新生銀行は中継銀行にシティバンクを使っているので、恐らくアメリカのシティバンクに送った場合は、リフティングチャージは無料。
口座の開設ができ、新生銀行からの送金先が登録できれば、アメリカにいてもネットと電話で操作が出来る。

以上の手続きは、日本に親兄弟がいて、日本の住所が確保できることが前提になる。また1回目の送金から無料で行おうとするなら、新生プラチナになるまで、最短でも1ヶ月間かかるので、一週間程度の滞在で上記の手続きを全て行うことは不可能だ。多分、2回以上の一時帰国を利用して手続きすることになるだろう。

なお比較的安い料金で、最も簡単に資金を移動する方法は、SMBC信託のプレスティア(旧シティバンク)を利用する方法だ。もちろんこの場合にも、プレスティアで口座の開設が必要になる。全ての円資金をプレスティアでドルに交換し、ドル建ての小切手を作ってもらう。小切手作成の手数料は2800円なので、海外送金よりもずっと安く済む。しかしプレスティアに限らず、銀行の交換レートはFXと比較すると非常に不利なので、100万円に対して3万円位はロスになると思われる。便利さや、手軽さにはコストがかかるということだ。