2012年6月17日日曜日

親の帰国後も子どもが合法的に滞在する方法

今回CKS (Christ the King School)を 息子の学校として選んだ理由の一つは、CKSがI-20という留学生の受け入れ許可証(滞在許可証)を発行できる学校だったからでもある。

当初、状況によっては私自身の滞在期間が3月末までとなる可能性があった。その場合、当然だが家族も私とともに帰国しなければならない。しかしアメリカの学年は、6月半ばまで続くので、この場合、息子は、学年が終了するまでもう少しというところで、帰国しなければならなくなってしまう。こういう場合を想定し、私が3月末で帰国する場合でも、息子が学生ビザで残るためにI-20を発行できる学校を選んだのだった。(しかし現実には、寄宿舎などの設備が整った特別な学校でない限り、中学生の学生ビザは発給されないとされており、ビザは申請しても発給される可能性は極めて低いだろうとも考えていた。)

実際には私自身の滞在期間が8月末で延長できたので、息子も私の家族として自動的に2年目を迎えることができ、学年を満了することができた。そのためI-20を使って息子の学生ビザを申請することもなかった。

ところで、以前に2年目のビザの更新をした時、一つ重要なことに気がついた。それは、ビザは入国許可であって、滞在許可ではないということだ。したがって、I-20という滞在許可をもっていれば、仮に私が3月に帰国した後も、実は息子は合法的に学年の終わりまで米国に滞在でき、この滞在自体のためにはビザは必要ないということだ。

通常、我われのような研究者の滞在許可の期間は、研究機関から発行される許可証の期間とされている。そして家族もそれに準じる。そのため入国の際に取得する「正式な滞在許可証」であるI-94にはD/Sと書かれている。これは他に所持する滞在許可文書の示す期間という意味である。したがって、仮に私の家族としての滞在許可期間が切れたとしても、I-20などの正式な滞在許可証を所持していれば、その後も当人は合法的に滞在できるのである。

ただし母親の滞在許可は切れてしまうので、母親はいったん国外に出て、旅行者として再入国することになる。また本人(息子)は、ビザ(入国許可証)を所有していないので、国外に出ると、再入国する際は「旅行者」になり、学校に通うことは非合法になる。(たとえI-20を持っていても、D/Sと記載されたI-94を持っていないので、現地の学校に通うことは非合法になる。そして、新たに学生ビザを持っていない場合には、D/Sと記載されたI-94を取得することはできない。)

こういう情報は私の見る限りネット上には掲載されていない。そのため、実はかなり多くの子どもたちが、I-20なしに非合法な形で、父親の帰国後も6月まで米国内に止まり現地の学校に通っているようだ。アメリカがこういうケースをどの程度取り締まっているのか分からないが、発覚した場合は、将来ビザを取得したり、ビザなしで旅行に来ようとする場合に、大きな問題になると思われる。小・中学でI-20を発行できる学校はそれほど多くないが、どのような場合にも学年満了まで子どもを現地の学校に通わせたいと思う場合は、I-20を発行できる学校を選んでおくことは大切だと思う。