2012年6月17日日曜日

素晴らしい留学体験

息子の学校が昨日で学期を終了した。9月からの1学年を満了することができた。当初は、ある程度の会話力が身につき、一人でも多くの友達をもつことができれば、それだけでよいと考えてアメリカに連れて来たが、振り返ってみると、期待を何十倍も超えた、素晴らしい留学期間だったと思う。

会話力に関しては、ゼロからの出発ではなかったこともあって、予想を遥かに越える力がついた。息子は、恐らくこれから会話で苦労することはないだろう。読解力は現地の小学生4・5年生程度、作文力は、3・4年生程度ではないだろうか。他の教科では、理科で多くを学んだようだ。国語(英語)は全ての課題を自分だけでやり通したので、これも自信になったことだろう。

小さな学校だったこともあって、本当に仲の良い友達を何人も得ることができた。これは何よりも素晴らしいことだと思う。このうちの幾人かとは、おそらく生涯を通じて友人同士であり続けることができるだろう。

何ヶ月もかけて皆で作り上げたスクール・ミュージカルも、かけがえのない貴重な経験となったにちがいない。

親の帰国後も子どもが合法的に滞在する方法

今回CKS (Christ the King School)を 息子の学校として選んだ理由の一つは、CKSがI-20という留学生の受け入れ許可証(滞在許可証)を発行できる学校だったからでもある。

当初、状況によっては私自身の滞在期間が3月末までとなる可能性があった。その場合、当然だが家族も私とともに帰国しなければならない。しかしアメリカの学年は、6月半ばまで続くので、この場合、息子は、学年が終了するまでもう少しというところで、帰国しなければならなくなってしまう。こういう場合を想定し、私が3月末で帰国する場合でも、息子が学生ビザで残るためにI-20を発行できる学校を選んだのだった。(しかし現実には、寄宿舎などの設備が整った特別な学校でない限り、中学生の学生ビザは発給されないとされており、ビザは申請しても発給される可能性は極めて低いだろうとも考えていた。)

実際には私自身の滞在期間が8月末で延長できたので、息子も私の家族として自動的に2年目を迎えることができ、学年を満了することができた。そのためI-20を使って息子の学生ビザを申請することもなかった。

ところで、以前に2年目のビザの更新をした時、一つ重要なことに気がついた。それは、ビザは入国許可であって、滞在許可ではないということだ。したがって、I-20という滞在許可をもっていれば、仮に私が3月に帰国した後も、実は息子は合法的に学年の終わりまで米国に滞在でき、この滞在自体のためにはビザは必要ないということだ。

通常、我われのような研究者の滞在許可の期間は、研究機関から発行される許可証の期間とされている。そして家族もそれに準じる。そのため入国の際に取得する「正式な滞在許可証」であるI-94にはD/Sと書かれている。これは他に所持する滞在許可文書の示す期間という意味である。したがって、仮に私の家族としての滞在許可期間が切れたとしても、I-20などの正式な滞在許可証を所持していれば、その後も当人は合法的に滞在できるのである。

ただし母親の滞在許可は切れてしまうので、母親はいったん国外に出て、旅行者として再入国することになる。また本人(息子)は、ビザ(入国許可証)を所有していないので、国外に出ると、再入国する際は「旅行者」になり、学校に通うことは非合法になる。(たとえI-20を持っていても、D/Sと記載されたI-94を持っていないので、現地の学校に通うことは非合法になる。そして、新たに学生ビザを持っていない場合には、D/Sと記載されたI-94を取得することはできない。)

こういう情報は私の見る限りネット上には掲載されていない。そのため、実はかなり多くの子どもたちが、I-20なしに非合法な形で、父親の帰国後も6月まで米国内に止まり現地の学校に通っているようだ。アメリカがこういうケースをどの程度取り締まっているのか分からないが、発覚した場合は、将来ビザを取得したり、ビザなしで旅行に来ようとする場合に、大きな問題になると思われる。小・中学でI-20を発行できる学校はそれほど多くないが、どのような場合にも学年満了まで子どもを現地の学校に通わせたいと思う場合は、I-20を発行できる学校を選んでおくことは大切だと思う。

2012年6月4日月曜日

Pogoplug Mobile改:OpenVPNサーバ

60ドルほどで購入したPogoplug Mobileを、ArchlinuxとOpenVPNで、激安のVPNサーバに改造してみた。

Pogoplug Mobile
こんなに小さくても、
れっきとしたコンピュータ

最近はどこの組織や機関でも、セキュリティ対策でプロクシが設置され、Webが使えるだけの状態になっているところが多い。私の大学でもhttpプロクシのポートが一つ開けられているだけで、smtpやpop3を使用するメーラーでさえ使用できない状態にされている。

特に不便なのはPogoplugが設置できないことだ。PogoplugはTCPの80番と443番に加え、UDPの4365番と3333番を使用する。仙石氏のstoneなどを使用してポート変換すれば、プロクシ越えできないこともないが、いっそのこと自宅にVPNサーバを設置して、研究室にあるサーバは、全て自宅のゲートウェイからインターネットに出るようにしておけば、後々も便利である。

Pogoplug
これでピンクちゃんたちも、
自由に外にでられるようになりました。

動かしてみると、思ったよりスループットもよく、まずまずの出来ばえだ。プロクシ越しにPogoplugを使用しているという情報はネット上に見えないので、あるいは私のところが「世界初」の使用例かも知れない。

それにしても、ネット上に流されている情報の不正確なことには今更ながら驚いた。20年ほど前にインターネットの商業利用が始ったばかりのころ、ネット上の技術情報は信頼できるものがほとんどだった。しかし現在では恐らく9割以上がどこかに間違いを含んだ情報になっている。OpenVPNは10年ほど前に一度使用したことがあるだけで、最近は全く触れていなかったので、ネットで設定方法を確かめようとしたのだが、あまりに酷い設定例ばかりであきれてしまった。特にローカルのDHCPが動いている状態で、OpenVPNでも簡易DHCPを動かしているような設定が多く、よくこれでネットワークが機能しているものだと、逆に感心してしまうほどだった。