2018年2月4日日曜日

息子のF-1ビザ

息子のF-1ビザを取得した。

息子も大学生になり、2017年の春から理系の勉強を始めている。本来は大学入学前に1・2年留学させ、英語を仕上げてから大学での勉強を始めさせたかったのだが、息子の大学では1年生の初めから休学することが許されない(意味不明な)学則があるため(こんな学則があるから、文科省の国際化評価で低評価がついてしまうのだ!)、1年が終わったところで2年間休学させて、アメリカのカレッジに行かせることにした。

  • I-20の入手
カレッジの入学申請は10月初めにオンラインで行った。驚いたことに必要書類を送信した翌日には入学許可の返事がメールで届き、それから1週間ほどでI-20などの書類も国際宅急便で送られて来た。しかし実際の渡米は2018年3月末の予定であり、この時点でビザの申請を行っては早すぎるので、12月初旬まで待つことにした。(アメリカのビザは、プログラム開始の120日以上前には発給されない。 )

  • 片道航空券の予約
ただし航空券が思い通りの日付で予約できないと困るので、片道チケットの予約を10月中に行った。片道チケットをディスカウント料金で出している航空会社は少ないが、デルタ航空がかなりリーズナブルな価格で販売していたので、デルタのチケットを予約した。


  • 必要書類
12月の初旬に2日間ほどかけて、慎重にDS-160のオンライン申請を行った。この時に用意した主だった書類は以下の通り。
  1. 写真
    写真はオフホワイトの壁を背景にしてスマホで撮影。背景は白と書かれている情報が多いが、アメリカ大使館の情報によるとオフホワイトでもOK。また写真は、オンラインで送信するデジタル写真と、5x5 cm のプリント写真の両方が必要。5x5の証明写真の作成には、PC上で「証明写真をつくろう! フリー版」を使用して、コンビニでL版プリント。プリント代は30円!
  2. 財政証明書類
    父親が息子の学費・滞在費用を全額保証するという内容の英文のレターを作成。(レターのサイン欄には、私のPh.D.などのステータスをしっかりと記入しておいた。)
  3. 銀行の残高証明書
    預貯金を新生銀行の口座に集めて、英文の残高証明書を取り寄せた。ネットには「ドル建て」の残高証明が必要という(バカな)情報が出ているが、円の預金をドル建てで証明してもらうことは不可能ではないかと思う。実際、文面は英語だが円建ての預金証明でビザの申請には全く問題なかった。私はこれまでにも私自身のJ-1ビザ申請を何度か行ったことがあるが、円建ての証明書で問題になったことは一度もなかった。
     ドル建てか否かということよりも、重要なのは金額だ。費用負担者が親権者の場合で、問題なく長期のFビザを取得するためには、最低でも1年間の学費と生活費の合計額の2倍程度の預金が必要だと思う。これよりも預金額が低くなると、その割合に応じて、ビザの取得に問題が生じる割合が高くなると言ってよいだろう。
  4. 納税証明書
    2017年12月現在の大使館の説明によると、親権者が財政証明をする場合には納税証明書が必要となっている。税務署に行ってみると、納税証明書には何種類かあったので、「直近1年間の所得額」と「直近1年間の納税額」が証明される英文の書類を発行してもらった。これももちろん円建てだ。なお所得額の証明は年収が証明されるので、一定の収入がある場合には、非常に有効な書類になると思う。
  5. 戸籍抄本と英訳
    ネット上には戸籍謄本と書いてあるものが多いが、本人の「戸籍抄本」で十分。謄本を取ると英訳する項目が多くなるので、「抄本」の方がベターだ。なお息子は中学時代にシアトルで取得した、日本領事館発行の出生証明書も所有していたが、ネット上に、「戸籍抄本(謄本)は本人と日本との『強いつながり』を示す証明にもなる」と出ていたので、あえて一般的な戸籍抄本を利用することにした。
  6. 成績証明書
    大学の英文成績証明書と高校の英文成績証明書を取得した。現在のビザ申請には成績証明書は必要ないという情報もあるが、特に在学中の大学の成績証明書は、本人の身分と、日本への帰国意思を示す書類として非常に有効だと思う。

  • 面接予約
12月や1月はビザの申請を行う人が少ないのか、12月6日にDS-160の最終送信を行い、面接予約の画面を見ると、すぐ翌週から1月末まで、かなり多くの面接時間が空いていた。わざわざ学校を休む必要もないので、1月4日の8時30分の予約を取った。

  • 当日:スマホの持ち込み
1月4日は仕事始めで面接予約をした人も少ないのか、8時30分丁度に大使館に着くと、全く待つことなくゲートを通過。私も一緒に大使館前まで行ったので、息子のバックパックを預かり、近くの喫茶店で待機することにした。息子は「透明の書類ケース」に必要書類を入れ、所持品はスマホと財布だけにしてゲートに向かったので、セキュリティチェックも非常にスムーズだったようだ。現在はスマホの持ち込みが可能で、待ち時間に4Gでの通信もできる。したがって書類などで不備があった時、場合によっては、館内から連絡して、外部で待機している同伴者に素早く対応してもらうことも可能だ。

  • 持ち込みバッグ
ネットには荷物やバッグについていろいろな情報が出ているが、一番良いのは、100均などで売っている、A4のクリアファイルごと収納できる「透明な書類ケース」に全ての書類を入れて行くことだと思う。大使館に提出する書類はA4のクリアファイルに入れ、その他の古いパスポートなどの補足書類と一緒に、A4より少し大きめの「透明な書類ケース」に入れて行けば万全だ。私はこれまでに東京の大使館でも、バンクーバーの領事館でもビザの申請を行ったことがあるが、A4よりも大きい「透明な書類ケース」を持参して問題になったことは一度もない。大使館の説明書きには、持参できるバッグのサイズが25x25 cm以内となっているが、これはハンドバッグなどの「透明ではないバッグ」のことで、「透明な書類ケース」はこの規定にはかからないものと思われる。もし書類ケースまで25x25 cm以内だとしたら、A4のクリアファイルでも持ち込み不可になってしまうだろう。

  • 提出書類
提出用の書類については、大使館の説明通りにした。
https://jp.usembassy.gov/wp-content/uploads/sites/205/2017/04/wwwf-visa-j-docs-arrangement.pdf

最終的に少し迷ったのは、プリントした写真の貼り方と向きだ。ネット上の多くの情報では、写真は上下を逆さまにして貼るように言われているが、上記の大使館の説明では、上下は逆さまになっていないので、この通りに張り付けた。また添付には両面テープを使用し、念のため予備の写真を一枚用意して息子に持参させた。実際には準備した通りで全く問題なく受理された。

  • 面接項目
息子によると面接は日本語で、聞かれたのは「好きな英語(の単語)は何?」という意味不明な質問と、「何を勉強するの?」「お金はお父さんが出すの?」という三点だけで、拍子抜けしたとのことだった。ただし、あまり上手な日本語ではなかったようで、よく聞き取れず、「英語にして!」と思ったそうだ。

  • ビザの処理確認
ビザの発給状況は下記のサイトで確認できる。
https://jp.usembassy.gov/ja/visas-ja/nonimmigrant-visas-ja/visa-status-check-ja/

面接の翌日・1月5日の午後には状況が"issued"になり、翌週の11日にはビザのシールが張られたパスポートがゆうパックで自宅に配達された。この際、大使館に提出した全ての書類も一緒に返送されてきた。また驚いたことに、2年間の申請に対して、5年間有効のF-1ビザが発給されていた。